IFFT/インテリア ライフスタイル リビングで日本の産地めぐりを「ミニ体験」
2008年11月21日 | 投稿者: 本間 美紀
19日(水)からついにIFFT/インテリア ライフスタイル リビングがスタ―ト。
メイン会場も、6月の『インテリア ライフスタイル』のイメージを引き継いだ華やかなイメージで盛り上がる。そんなおしゃれな一面は筆者の別レポートをご覧ください。
≪extice ism 都市生活者のためのライフスタイルマガジン≫
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_2426/
ということで、ここでは一足踏み込んだ内容をご報告。ある意味、「地味」なブースばかりだけれども(失礼!)、そこには日本の家具のものづくりの基本がある。
まずは徳島のブースから。もとは仏壇、建具で知られる産地で、現在はポリの鏡面塗装に定評のある産地である。
これは冨士ファニチアの新作「タピオ」。
さっと見ただけなら通り過ぎてしまうかもしれない。
実は同社は日本でもいち早く「成型合板」の技術を確立したメーカー。成型合板というと、山形の天童木工が知られているが、実は冨士ファニチアもこの技術で30年の歴史がある。よく見ると椅子のアームも足も、テーブルの足も天板もすべて成型合板。
座面のすぐ下の部分は太く、足にむかって細くなっていく。「これは強度の具合を見ながら、中の単板を間引いていく技術が必要なんです」と同社の布川智則さん。
アーム部分も3次元に成型して、ゆたかな広がりを実現。北欧をイメージしてデザインされたという製品で、名前もフィンランドの言葉が由来。そういえば成型合板で知られるアルテック社もフィンランド、そんなお国柄に敬意を払ってのネーミングかもしれない?
同じく徳島の大久保椅子製作所のブース。
徳島が得意とするのが鏡台の製造。その鏡台用の小椅子の製造から始まった会社で、張りぐるみを得意としているのだそう。デザイナーの川崎文男さんデザインで、「上がり込めるソファ」を実現。
曲線を描く「張り」に見られる技術は、高級クルーザーの内装の依頼もくるほどだそうで、日本では数少ない「船舶の内装の家具部分」を手がけられるのがこの会社だという。
徳島ブースにて、豊倉銘木の社長をパチリ! 世界の優良木材が新木場より早く届くのがここ、と業界から信頼を得ている会社だという。ケヤキからオバンコールまで「本物」の迫力はスゴい。小口が切りっぱなしそのままのものだと田舎風に見てしまう人も多いだろうが、社長さん曰く「木目を選んでピン角にすれば、モダンで本物の迫力がでる」という。こういう木材、つい素通りしがちだが、「本物」を知る人がインテリア業界(特に若い世代)に少なくなっている中、会場でぜひ見て確かめてほしい。
広島府中と福岡大川。産地を越えて生まれた家具のブランドが「kitoki」。アメリカの広葉樹の持ち味を生かす家具を、デザイナーの小泉誠さんと関洋さんがデザイン。これを丸庄、土井木工、若葉家具、井上材木店が製作。
品質とデザインに比して、値段も手頃でこれはヒット商品に育つ予感!
ちなみに府中・福山地域の備後地域地場産業振興センターの高田陳樹さんによると、この地域は婚礼ダンスの製造が盛んで、今でも箱物、木工を得意とする地域。引き出しの精度まで気を配る、ていねいな工場が多い。婚礼ダンスが売れなくなった今は、ベッドなどの開発も増えているという。
指物家具のメーカーとして創業した野中木工所。木の彩りを生かしたチェスト類「カラーズ」を出展。建築家などからの依頼で、オーダーキッチンの製作も得意としている。
平田椅子製作所は佐賀県から出展。体に合わせてSMLのサイズに分けた安楽椅子「NONA」は、確かに椅子にサイズがあってもいい、と目から鱗の発想。「和室でたたみに置くことを想定しました」と社長の平田尚士さん。国産のケヤキを使ったやわらかな雰囲気のデザイン。背のフィット感は背面のベルトで調節できる。
Sサイズに座って座高が低くてびっくり。高齢者向け家具、というジャンルでひとくくりにするのではなく、日本人の「リアルな暮らし」に即した家具だと、ちょっと感動。「実家っぽい」とでも言うのでしょうか?
新潟県の加茂は、桐ダンス製造で知られる産地。これはデザイナー岩倉榮利さんのデザインによる見事な桐ダンス。
モダンでトラッド。テレビボードやベッドなど現代生活に似あう商品がそろう。
これらの過去にミラノでも発表されたもので、桐ダンスのイメージが変わる傑作。
IFFT/インテリア ライフスタイル リビングもミラノサローネのように、おしゃれでかっこよく変わるべきという意見もある。6月も10月も「インテリアライフスタイル」はそんなトレンドを担う役割が必要だろう。その一方で、でも日本の家具メーカーはヨーロッパの家具メーカーとは違う。家具の文化の出発点がそもそも別方向である。少なくとも「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」は見た目地味でも、表面的な意匠に惑わされず「日本のものづくり」の力を見せる見本市でもありたい。
日本の百貨店や全国的な家具店におかれ、ごく普通の日本人に買われる家具というのは、やはり国産の家具である。奇抜すぎず、かといって旧態依然の商品のままでもなく、バランスのとれた日本の普通の美しい暮らしを提案する。そんな風に家具業界が育ってほしい、と願わずにはいられない。
ということで、今回でブログも一区切り。後半はちょっと真面目になってしまったかもしれない。筆者もちょうど家具業界の長老チーム(失礼)。そして新しい世代の間に位置し、新しいものと変わらないもの、それぞれの値打ちが実感できるようになってからこのフェアを見て、思う事もいろいろだった。
次回があるかはわかりませんが、またお目に掛かれるのを楽しみにしています。
ご愛読ありがとうございました。
IFFT/インテリア ライフスタイル リビングは、本日21日(金)18時まで、22日(土)17時まで開催しています。皆様のご来場を心よりお待ちしております!!
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