会期終了レポート1 素材色と流行色
2010年6月 8日 | 投稿者: 高橋 美礼
2010年インテリア ライフスタイル(以下IL)も無事終了しました。公式発表によると昨年よりも「微減」という来場者数の記録でしたが、国内出展者数が増加したことは喜ばしい傾向だと捉えて良いでしょう。
【インテリアライフスタイル2010来場者数】
2日(水)8,745名 (9,090名)
3日(木)8,917名 (8,979名)
4日(金)8,159名 (8,241名)
合計 25,821名 (26,310名)
全体の出展傾向としては、秋に開催されるIFFT/インテリア ライフスタイル リビングとの関連もあり、インテリアのなかでも家具以外の製品が多いIL。とりわけ今年は素材への新しい取り組みや、新技術を駆使した開発から生まれた新製品が目を引きました。
そして同時に注目したいのが、色。素材そのものがもつ色を活かしたデザインが非常にクオリティ高く完成されている一方、今年の流行色を反映したバリエーションも豊かに広がっている印象的で、インテリアの次の流行が見えてくるようです。
たとえば、素材の色をうまく引き出してデザインと結びつけるのはやはり、伝統技術産業の製品群で、若いデザイナーもよく素材を勉強しているのがわかる製法や仕上げ技術がそのまま、製品の魅力につながっています。さらに、カラフルなラインナップが目立ったのはキッチンツールや花器類。俯瞰すると流行のカラー展開が見えてきました。
*能作(のうさく) http://www.nousaku.co.jp/index-jp.html
新見祐紀氏と新見拓也氏によるデザイナーユニットNIIMIの新作「moon -月- カタクチ」は、底面の三日月が美しい「月のぐい呑み」と同じシリーズ。錫の片口とぐい呑みで、金箔を施した三日月との相性がとてもナチュラル。
*木村硝子店(きむらがらすてん) http://www.kimuraglass.co.jp/
東京、湯島の老舗ガラスメーカー、木村硝子店といえば独特の切子デザインが有名なカクテルグラス「木勝シリーズ」や非常に薄くて軽い「コンパクトシリーズ」などが思い浮かびますが、今回出展していたのは、この定番アイテム。ピッチャーやクリーマーなど、ありそうでなかった細かいサイズ展開と手に馴染む素直な形が今、新鮮です。
*二上(ふたがみ) http://www.futagami-imono.co.jp/
富山県高岡市に明治30年から続く真鍮メーカー、二上は包丁立てや箸置きに加え、真鍮の鋳肌を活かしたランプシェードの新作を発表。写真では見えませんが、内側の仕上げにもいくつか種類があり、加工方法で素材の表情を出している好例ともいえます。
*hum(ハム) http://hightide.co.jp/
福岡を拠点にデザインと機能性にこだわったステーショナリーや生活雑貨を発売しているHITIDE(ハイタイド)と、大阪を拠点に家具や空間デザインを手がけるクリエイティブ集団graf(グラフ)が開発した新しいステーショナリーブランド「hum」。ちょっとしたアイデアや楽しくなるヒントが詰まったデザインばかりですが、この小さな木製マグネットは新しい!本当にただの木片を使っている気分になる気がするのですが、他にも文具という枠を超えた製品がリリースされていました。
素材の色を大切に活かす一方で、カラフルなバリエーションにもひとつの法則性が感じられました。特にファッションのカラートレンドを意識した色展開です。
2010年春夏の流行色にあげられているのが、ターコイズ、アンパロブルー、バイオレット、オーロラ、フィーションコーラル、トマトピューレ、ピンクシャンパン、トスカーナ、ドライハーブ、ユーカリ(PANTONER fashion color report spring 2010より)。特徴をあげるとすればパステルな色合いが強いといえるこの傾向が、インテリア製品にも影響しています。
*lifefactory(ライフファクトリー) http://www.lifefactory.com/
まず色で心をわしづかみにされてしまった、ライフファクトリーのガラスボトルシリーズ!哺乳瓶を中心に手がけるこのメーカーは2007年生まれの新人、とはいえ、BPAやPVCをまったく使用せず、人体に安全であると確認されたガラスと樹脂だけで乳幼児から子ども、そしてもちろん大人まで安心して口をつけられる製品を開発しています。グリップ感もバツグンの形状に、この色合いがベストマッチ!
*MUUTO(ムート) http://www.lampas-inc.jp/brand/muuto/
フィンランド語で「新しい視点」「変革」という意味の、ムート。デンマーク発のライフスタイルブランドとして、旬なデザイナーを起用したアーティスティックな製品をラインナップしています。ポリマーフェルトを使ったこのバスケット「リストア」はミカ・トルパネン氏のデザインで、スモーキーなカラーが質感の演出にも一役かっていますね。
*ZWIESEL(ツヴィーゼル) http://www.zwiesel-kristallglas.jp/
ドイツのツヴィーゼル・クリスタルガラス社の花器「SAIKU」シリーズの新色は、このターコイズが新鮮!ガラスならではの透明感が、濁りのないターコイズカラーをより魅力的にみせます。今年最大のキーカラー、ターコイズ!
*SYARETOW(シャレトウ) http://www.syaretow.com/
長崎の波佐見焼のブランド「HASAMI」でも、落ち着いた色合いに仕上げたカラーが目を引きました。日常使いに機能的な形を求めながらも、色にはこだわりが。
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*KAHLER(ケーラー) http://ko-design.jp/
1893年創立のケーラー社はデンマークの陶磁器メーカー。革新性高いコラボレーションが常に話題ですが、「ブルビーノ」や陶芸家アグネス・フリース氏による「ボッティーノ」などの花器でもカラーはデザインの一部です。男性にも人気があるターコイズブルーはこれからさらにインテリアでポイントとなりそう。
*essence(エッセンス) http://www.saikaitoki.com/essence-home.htm
波佐見焼や有田焼などを扱う西海陶器のプロジェクトとして発足した「エッセンス」の新しいコラボレーション。アンダーソン・山野陽子氏のスパイス入れ「kernel」は、手のひらにコツコツとぶつかる形状と柔らかな色彩が一体となって完成されています。
素材としての生地や木地を活かすデザインと、遊ぶように色をまとったデザイン。そのどちらもが少しずつ際立って、インテリアの新しいスタイルを確立していく予感がします。


