家具のビジネススタイルの新しいあり方--センプレデザイン
2010年11月16日 | 投稿者: 本間 美紀
今年のIFFT、さまざまな見どころがありますが、一つ、面白い企業の動きがありますので、ご紹介しましょう。それがセンプレデザインです。
IFFTでも、6月のインテリアライフスタイルでも常連で、ともすれば「いつものところ」と
思ってしまいそうですが、実は今回、センプレは3つのブースに分かれて
出展、という珍しいスタイルを試みます。
センプレデザイン(以下センプレ)は、田村昌紀さんが主宰するインテリアブランドで、 その事業は多岐にわたります。
まずはショップ展開やインターネット販売の流通事業。
バイイングや輸入業、MDを手がけ、卸も行います。
さらにオリジナルの家具開発。
これらにからめてイベント企画(コミュニケーション)も積極的です。
と、一つの業種にとどまることなく、「よりよい暮らしの提供」という縦軸で、ビジネスを広げています。今年は池尻大橋に3フロアの本店を出したことで、インテリア業界の話題をさらいました。
BENSENのデスク「HOME WORK」
[ゾーンその1]BENSEN×センプレデザイン ひさびさに新しい輸入ブランドがデビューします。センプレが提携するBENSEN(以下ベンセン)はカナダでハイエンドなインテリアショップを展開。オリジナルの家具を販売してますが、自社製品以外の商品もセレクトするスタイル。ちょっとセンプレデザインに似ています。またイタリアにも工場を持ち、北米と欧州、それぞれの持ち味を活かします。
カナダのベンセンのショップの様子

安積伸さんデザインのAPスツール
これまで輸入家具のビジネスというと、単にものを輸入し、売ってというスタイルが普通でしたが、このプロジェクトでは商品の'相互交流'を生み出そうとしています。たとえば上の安積伸さんデザインのスツールなども展示し、「編集」された提案を打ち出すそうです。

[ゾーンその2]センプレデザイン×ワイス・ワイス
やはり家具製造で、通り過ぎることのできないテーマ「環境」。北海道の紋別の
森の木材を使った家具を発表。注目したいのはそのシステム。
細い間伐材で組んだ基本のフレーム
ただ「環境に配慮して材料を使いました」ではないのが見どころ。従来の家具製造では活用しにくかった、細い間伐材を活用したシェルフで、どのような広さの部屋、用途にも組みかえられるシステムです。
棚板を組んで収納にできる
これは先月の東京デザイナーズウィーク期間にも、先行して発表されたシェルフシステム「IPPEN」。
スツールやサイドテーブルにもなる
日本の家にリアルな商品を企画し、本当に売れるものをつくる。それが本当の
意味で環境に貢献するという好例でしょう。
フランスで1920年代にデザインされた復刻椅子
[ゾーンその3]センプレコントラクト
また通常のセンプレの出展は新事業「センプレコントラクト」をスタートさせます。
これまでのセンプレの商品に新作を加え、新しい視点で再編集。やはり「編集」は大切なテーマですね。
コーラのペットボトル111本をリサイクルして1脚の椅子にするエメコ社のカフェ用チェア
今回はカフェ&バールという特別企画もあります。会場のテーマと連動した展示で、来場者に深くアピールする仕掛けも含んでいるのです。「さまざまなセンプレ
を見せたい」と田村さん。この思いがまさに「見どころ」なのかもしれません。
今回の取材では、家具ビジネスはもっと多様化できる可能性を秘めているのではないか、と感じました。こういったタイプのビジネスを試みるインテリア関連企業は、見渡してみると、意外とないように思えます。
来場者の方も、意識改革が必要です。会場を漫然と見るのではなく、こういった「枠組み」を頭にいれて視察するだけでも、新しい発想が得られるのはないでしょうか?
(report=本間美紀)


